IAA transportationドイツ商用車展示会報告
ドイツハノーファーでの商用車展示会見学報告
ーBEV(バッテリー電気自動車)&FCEV(燃料電池電気自動車)が主役だったの巻きー
トランスポーテーション2022」の見学に行って
きましたのでその報告をします。
注) ここに報告している情報が誤っている又はそれによって不利益が生じたとしても
株式会社上陣及びレポーターはその責を負いませんので予めご留意願います。
その1)ダイムラー・トラック
メルセデス・ベンツブランドで、バッテリーEV “eACTROSS”の
シリーズで、長距離輸送用の”Long Haul (ロングホール)” と
呼ばれるEVトラクターのプロトタイプ版を展示していた。
航続距離は、何と500Kmを確保、4×2のトラクター仕様。
“Long Haul”は、”eACTROSS400″シリーズ(航続距離400Km)
の進化型の模様。
立看板でのスペックによると、”Long Haul”では、GCWが
42T、電池電圧800V、出力最大600kW/連続出力400kWで、
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO4=LFP)を
3パック使用。2024年に量産予定だと言う。充電性能は、
ccs (20-80%でコンバインド急速充電:400kW/時間)、mcs (20-80%でメガワット充電:1MW/30分)。
こちらは、”eACTROSS400″シリーズ(航続距離400Km)
モデル。立看板でのスペックによると、”eACTROSS400″では、
GVWが27T、Payloadが16.6T、出力最大400kW/連続330kW
で、リチウムイオンバッテリーパックを4パック使用。
充電性能は、20-80%の急速充電で、160kW/1時間40分掛かり、
Power ePTO最大32kW/連続20kW、2ギア仕様(+バック2ギア)
の性能を有する。
その2)ボルボ
こちらは、”Volvo FM Electric”モデル(航続距離300Km)。
立看板のスペックによると、このモデルでは、GCW44T、
連続出力490kWで、リチウムイオンバッテリーパックを6パック
使用(1パック90kW, 電圧600V)=540kWとの事。
シフトは、オートマ12段、PTOは、ギアボックス仕様。
回生機能付きe-Brakeを使用。
その3)スカニア
こちらは、バイオガス仕様の4x2トラクターモデル
(航続距離1400Km)。左の写真は、改良新型ディーゼルエンジン
(OC13)で、スカニア独自のDual Overhead CamとTwin SCRと
呼ばれるtwin型AdBlue注入システムで主な機能アップを達成
しており、リサイクルバイオ燃料のHVO(水素化植物油)や
FAME(脂肪酸メチルエステル)に対応しており、CO2の排出量
が非常に少ないエンジンだそうだ。このエンジンには、現在
420PSと460PSの2タイプがある。
一方で、左の写真のモデルも、ディーゼル使用の4x2トラクターで、
560Sスーパーと名付けている。リサイクルバイオ燃料のHVO(水素化植物油)に対応しており、こちらもCO2の排出が非常に少ないエンジンだそうだ。トルクは、2800Nmで、PTOも最大1000Nmが可能である。展示車両の中で、中央に置かれていて、大変存在感のあるディスプレイであった。
スカニアのブースでは、これらのディーゼルエンジン搭載車の他、
BEV車も多く展示していた。
その4)Man Truck & Bus
こちらは、ドイツMAN社の”TGS41.520″モデルで、立看板
でのスペックによると、このモデルは、8×4で出力382kW,
520PS, 230Vの電源コンセント、MAN Overviewというデジタルミラー
システムを装備してるとの事。
その5)その他メーカー
オランダのDAF Trucksからも出展がありました。
BEV車に加えて、水素を燃料とする”XF Hydrogen”
という名のモデルで、4×2トラクターが展示されて
いました(左写真参照)。ITOYの「トラック革新賞2021」
を受賞したモデルだそうだ。
2022年5月の時点では、航続距離が120Kmと短いが、
それを600Km以上に延ばす計画との事だった。
イタリアのIvecoも出展していました。
BEV車に加えて、LNGを燃料とするSウェイLNGという名の
モデルで、6×2トラクターが展示されていました。(左写真参照)
航続距離は、1600Kmとの事。また、騒音も71dBと、静かである
という。
Maxusからは、BEV車で2024年後半からイギリスで発売予定
のモデルのテスト車と思われる展示車があった。イギリスで
販売するモデルの航続距離は、560Kmだそうで、このシャーシ
は、IvecoのSウェイで中国向けモデルを使用しているとの事。
Maxusの特許であるSAICモーターを用いて、交換可能式バッテリー
パックであるComtemporary Amperex Technologyを採用している。
モーター+ギア+インバーターで、エンジンの場合の1/2の占有スペースなので、空間の有効活用、軽量化
が可能。
参考資料:アイシンHP
https://www.aisin.com/jp/aithink/innovation/blog/005809.html
eAxleの開発競争が国内でも激化している。
各自動車メーカーとの関連についても調べてみた。
参考資料:東京エナジーパートナー EV DAYS
https://evdays.tepco.co.jp/entry/2022/06/21/000032